初フルマラソンの予想タイムを遅めに申告してはいけない

マラソン大会の申し込みをするときは、予想タイムや自己ベストを申告します。それでスタートの位置が決まるので、とても重要なのです。初めてのマラソンだと、予想しようがないので、10kmなどのタイムを参考に計算するしかありません。

僕が初めてフルマラソンに申し込んだときは、そういう計算をせず、単純に遅めのタイムで申告してしまいました。完走さえ怪しく、どう転ぶかわからないので、遠慮のような気持ちがあったと思います。

しかし、マラソン当日、スタートしてみると、失敗だったことに気付きます。これから初めて挑戦される方に向けて、自分の経験を書いておきます。

遠慮気味な予想タイム

そもそも僕がフルマラソンを走ることになったきっかけは、ちょうど京都マラソンが開催されたからです。地元京都での初めての市民マラソン。その数年前からランニングは始めていましたが、まだ5km-10kmの大会の経験しかなく、フルマラソンなんてもっと先のことだと考えていました。せっかくの地元の大きな大会、それも第一回大会に出走できるとすれば、こんな嬉しいことはありません。

ハーフマラソンすら経験がなかったので、完走できるかどうかもわかりません。制限時間の6時間に対して、予想タイムは5時間として申し込みました(6時間と迷ったような気がします)。

そして運よく当選。フルマラソンを走ることが現実になり、このままではまずいと、マラソンの指南書を購入し、トレーニングを開始しました。

購入したのは、岩本能史さんの「非常識マラソンメソッド」です。自信はないと言いつつも、目標はいつか4時間を切りたいと思っていました。目標はまずは完走。そして、あわよくばサブフォー達成だったのです。

ついに初マラソン

いよいよ京都マラソン当日。

ランナーは予想タイム順にAからKまで11のブロックに割り振られています。僕はその中でも最後尾のKグループでした。それも本当の最後尾でした。

ついにスタート。ランナーの集団で大混雑しているので、最初は自分のペースで走ることはできません。あせらず我慢です。レースが進むにつれて集団もほぐれてくるので、少しずつペースをあげていけばいいのです。

前に進めない!

しかし、いつまで経っても周囲の集団とペースが合いません。それもそのはず、僕がスタートしたKグループは、7:00/km台で走って5時間台での完走を目指しているのですから。

自分の申告タイムとは裏腹に、実際は、4時間切りを目指してトレーニングに励んでしまった、というボタンの掛け違いのような状況に、今さら気付いても遅いのです。

ペース別に集団でスタートしたので、まわりは同じペースのランナーに囲まれて走っています。前後左右、身動きがとれず、前へ進むことができません。

禁じ手をする

このままではまずいとあせっていました。10kmを過ぎて集団に余裕が出始めると、移動できる位置を見つけては、前のランナーを抜いていきます。しばらく同じ場所で走り、また移動先を見つけて、前のランナーを抜く。こんな感じでジグザグに走っていたと思います。

マラソンでの禁じ手は、前に出るために、空いている空間へ大きく横移動することです。他のランナーに迷惑がかかるうえ、自身も無駄に体力を消耗するだけです。しかし、あせった僕はそれをかなりやっていたと思います。4時間切りが現実的なタイムになってきて、あせっていました。

完走したものの複雑な心境

こんな調子でしたが、初マラソンを無事にゴールできました。トレーニングの甲斐もあり、最後まで快調に走り続けることができました。ネットタイムで4時間7分です。

もし予想タイムを4時間と申告していれば、余計なロスはなかったかもしれません。もう少し速い記録もありえたかと思うと、複雑な心境でした。もちろん、申し込み時点の正直な気持ちだったのですから、意味のないことはわかっていますが。

再び京都マラソン

それから一年後、幸運にも京都マラソンを再び走ることができました。もちろん、予想タイムはきちんと3時間55分と申告しています。

さすがにスタート直後からスムーズに走れて、記録は3時間55分で完走。予想タイムとほぼ同じだったのは驚きです。とにかく前回の雪辱は果せました。

初マラソンを走るランナーこそ、予想タイムを決めるのは難しく、とても重要だということです。僕のような微妙なレースにならないように慎重に予想することをおすすめします。