昨年、FX-AUDIO-のDAC-SQ5Jを買ってMac mini M1で使っている。ずっと品切れしていたが、たまたまYahooの公式ショップで予備在庫らしきものが開放されたのか、タイミングよく購入することができた。発売が2017年10月と古いけれど、ヤフオクでは定価とあまり変わらない値段で落札されているので、いまでも人気があるようだ。

たまたま買えた話

去年の6月頃、FX-AUDIO-のDAC-SQ5Jのことを初めて知って、ほしいと思ったのだけれど、半導体の品薄などにより、すでに品切れしていた。NorthFlatJapanの公式ブログを確認すると、最後に再入荷のお知らせがあったのは2022年4月25日だった。いずれ再入荷のお知らせがあるかもしれないので、とりあえずYahooショッピングのお気に入りに登録しておいた。ところが、その夜、商品ページを見ると、なぜかDAC-SQ5Jのシルバーモデルが買える状態になっていることに気付いた。残りわずかと表示されていたので、すこし躊躇したものの、これも何かの縁と思って買ってしまった。

注文を確定した後に気付いたのだけれど、先にYahooショッピングから再入荷のお知らせメールが届いていた。その日の21時から販売開始で入荷数は一個とあった。商品ページの説明によれば、製品保証用の予備在庫を定期的に販売することがあるらしいので、入荷数が一個というのは、まさにそういう予備在庫が開放されたのだと思われる。

ちなみにそのメールには、お気に入り登録している人数が22人と書かれていた。注文を確定したのが21時半すぎだったので、私のせいで30分で完売させてしまったことになる。ただ、それぐらいの余裕はあった。この人数が多いのか少ないのかはわからないが、最新のハイレゾ音源を求める人は手を出さないのだろうから、こんなものなのかもしれない。

そういえば、購入前に一番気になったのは、第7ロットでオペアンプがすべてLME4562に変更された点で、オリジナルではOPA2604とLME49702が使われていた。公式ブログによると、LME4562は、全体的に高解像度かつクリアで見通しが良いキャラクタのオペアンプということらしい。個人的な好みとしては、良い方向の変化だと思うけれど、どちらにしても新旧を比較できるわけではないので、そのまま受け入れるしかない。もし気に入らなければ、あとから自分で取り替えればいいかと思う。

私の場合、CD音源が中心なのでハイレゾはとりあえず要らない。それよりも技術的に枯れていて評価が定まっていて、値段が一万円と手頃であったのがよかった。さらに、公式サイトやブログで、使用パーツについて熱い?解説があったり、内部の電子回路の写真が公開されていたり、オペアンプの交換ができるようになっていたりと、なんだか商売上手な感じがしなくもないけれど、電子工作っぽい楽しそうな雰囲気にとても惹かれた。

今回は選択の余地がなかったけれど、DAC-SQ5Jにはブラックとシルバーの二種類があって、もともとほしかったのがシルバーだったので、ちょうどよかった。写真では、シルバーの質感が安っぽく見えたけれど、自宅の照明が電球色なので、実物はシャンパンゴールドっぽくて光って意外と上質に見える。正面のパネルにFX-AUDIO-のロゴ等が白っぽい色で印字されていて、これらがいい感じにシルバーになじんでいる。

使用環境

DACだけを買ったので、アンプとスピーカーはとりあえず家で余っているものを使うことにした。アンプは、サンスイのAU-α607DR、スピーカーはヤマハのNS-10MM。どちらも相当昔に購入したものなので、DAC-SQ5Jの実力を知るには微妙かもしれないが、NS-10MMは、コンパクトなサイズ感とミニマムなデザインが好きで手放さずに保管していた。そもそもDACを買おうと思ったのは、NS-10MMを生かしたかったというのもあった。Mac miniと液晶モニターを机に置いて、両端にちょこんとNS-10MMを置くとなかなかいい感じだと思う。音質的には、高音質というわけではない。液晶モニターの内蔵スピーカーのきんきんした音を聴いたあとに、NS-10MMの音を聴くと中域ばかり強調された、こもった音に聴こえる。それだけ耳あたりがよく普段使いにはちょうどよく感じる。

NS-10MM

サンスイのAU-α607DRは、サイズが大きすぎてデスクトップで使うには、どこに置くねん?という感じだが、とりあえず他にアンプがないのでこれを使うことにした。消費電力が高くて発熱するのも気になるし、NS-10MMと組み合わがオーバースペックで不釣り合いなのだが仕方ない。

DAC-SQ5J

Mac mini M1で使う

DAC-SQ5JをMacで使うにあたって、USBでつなぐだけで、特にドライバーは要らない。設定は、本体のボタンでソースをUSBを選んで、MacのAudio MIDI設定アプリでフォーマットを選ぶ。たまにサンプルレートの認識が狂うことがあって、44.1kHzが48kHzになってしまい、再生速度がスローになってしまう。そういうときもAudio MIDI設定アプリで正しいレートに変更して対処している。頻度は低いので、原因は調べていないけれど・・・。再生ソフトは、MacOS標準のミュージックアプリでApple losslessかMP3の音源を聴いている。

Macがスリープしたり復帰したりするような時に、本体内部からカチッという機械の音がする。公式サイトの説明にある「リレーによる無音時出力カット機構」の音だと思うが、特にうるさいとか気になる感じはない。Macから離れた場所にいると、遠くからカチッと音が聞こえるので、Macがスリープしたことがわかる。ふだん音楽を聴かないときは、DACもアンプも電源をオフにしている。

DAC-SQ5J

音の比較

今回、初めてのDACなので、比較対象がない。そこで、Mac mini M1のステレオミニジャック出力と比較してみた。DAC-SQ5JとMac miniの出力をAU-α607DRのパワーアンプ入力2系統につなげて、ノブを切り替えて比較することにした。AU-α607DRはプリメインアンプだが、パワーアンプダイレクトという機能があって、プリアンプ部を経由せず、パワーアンプ部に直接つなげることができる。Mac miniのほうが出力レベルが低いので、両者を切り替える度にボリュームを調整する必要があった。音が大きいほうが音が良く聴こえるので、そこは気を使う。

比較した感想としては、DAC-SQ5Jのほうが、より高い高域が再生されて、解像度が高くてクリアな印象を受ける。Mac miniのほうはすこし芯がないような気がする。しかし、一聴して、とても音がよくなったと言えるほどに大きな違いがあるわけではない。Mac miniのステレオミニジャックのほうも、さすがにアンプをつないで外付けの一応まともなスピーカーで鳴らしているわけだから、それなりに聴くことはできる。この構成では、スピーカーの再生能力に一番疑問を感じるが、最初のきっかけがNS-10MMを使うことだったので、しばらくはNS-10MMを使おうと思う。

AU-α607DRについては、さすがに常用するには発熱と消費電力が気になるので、しばらくしてFX-AUDIO-のアンプも追加で買った。その話もまた書きたいと思う。