AcerのChromebook C851T-H14Nを購入した。Panasonicの古いLet’s Note W5Mが寿命を迎えてしまったので、その代りである。なぜWindows機のLet’s Noteの代りにChromebookなのかというと、Let’s NoteにはLinuxをインストールして長らく使ってきたし、Chromebookのほうは、ChromeOSでLinuxコンテナが動くため、Linux機として使えるのではないか考えたからだ。それに未知のChromeOSが体験できるのも魅力であった。購入して一年以上経ったが、使い勝手のよさから、重宝している。

 購入したAcerのC851T-H14Nは、シンプルなノートパソコン型である。CPUがX86_64系で、液晶にタッチパネルが付いている。このスペックの中では、このAcerが20000円前後で一番安かったので検討していたところ、2021年1月ごろにヨドバシカメラの店頭で17000円のセールになっていたので、買ってしまった。

デザイン

 デザインは、いまどきのノートパソコンとしてはすこし古風な感じがする。キーボードが外れてタブレット化するわけでもないし、メタリック風な素材だったり、おしゃれなデザインだったりもしない。ブラック系の合成樹脂の素材は、チープな印象さえを受ける。

 カタログを読んで合点したのは、そもそもこの機種は教育現場で使われることを前提に設計されたパソコンということ。少々乱暴に扱っても耐えられることを目指して企画された製品のようだ。合成樹脂な素材は傷に強そうなので、取り扱いに気を使わなくてもよさそうなところがよい。

chromebook

Let’s Note W5Mと比較

 2007年発売のWindows搭載のLet’s Note W5Mと比較することに意味はないが、個人的には、この機種の代替だったので、ちょっと比較してみた。本体の大きさや重さはほぼ同じ。

chromebook

 Acerのフラットなデザインには、ミニマムな美しさがあって意外とかっこいい。トップは、細かな凹凸のパターンが加工されていて、手触りもよい。ChromeとAcerのロゴは、プリントのようなので、経年劣化で剥げてくるかもしれない。

chromebook

非光沢なふつうの液晶

 ディスプレイは、いまどきの精細で美しい光沢の液晶と比べれば、かなり地味である。スペック的には、非光沢の12インチで解像度が1366×912なので、Let’s Noteと大差ない。買い替えて、さすがに最近の機種は液晶がきれいやなあ、などと思うことはない。初めて店頭で見たとき、旧世代のノートパソコンにしか見えず、購入を躊躇したぐらいだった。

 とはいうものの、実際に購入して使ってみると、特に不満は感じない(Macでは4Kモニターを使っているので、使い分けしている)。無駄に眩しくなくて、彩度も低めなので、逆にほっとするぐらい。テキスト中心の用途なら、このぼんやり具合のほうが居心地がよい。非光沢なのがやはりよい。

使いやすいキーボード

chromebook

 キーボードは、打鍵が軽めでこのクラスに相応の質感だと思うが、タッチタイピングはまったく問題なくできる。MacBookなどと同じようなスクエアの形のキーで、レイアウトもどこか似ていて、きれいな配置だと思う。特に矢印キーの配置は、触れるだけで判別できるのでわかりやすい。

CTRLキーをカスタマイズできる

 この機種に限った話ではないが、Chromebookの特徴として「A」キーの左横が、虫めがねのアイコンの検索キーになっている。検索キーとは、WindowsでのWindowsキーのようなもので、これはこれで有用だが、個人的には、この場所にはCtrlキーがほしい・・・と思ったら、簡単に設定アプリでCtrlへ変更できた。

chromebook

ファンクションキーが使える

 一見するとファンクションキー(F1、F2など)がないのだが、キーボードの最上段に並んでいる特殊なキーをファンクションキーに変更することもできる。これも設定アプリで、簡単に変更できてしまった。Ctrlキーもそうだが、こういう当たり前のことが当たり前にできたので、ちょっと拍子抜けした。ChromeOSの好感度がぐんと高くなった。

chromebook

大きめのタッチパッド

 タッチパッドも悪くはない。大きさは10.5x7.7(cm)と十分な広さがある。MacOSのように、ChromeOSにもジャスチャーがあって、例えば、4本指でデスクトップを切り替えたり、3本指でアプリの一覧を表示したりできる。

 ちなみに、Macで使っているMagic Trackpadと比較すると、なめらかさはずいぶん劣る。もたついたり、反応がいまいちということもある。結局、必要に応じて、Bluetoothのマウスを併用している。

 ブラウザのChromeでは、三本指のスワイプでタブを切り替えられるのでよく使うのだが、これはChromeOS版でしか使えないみたいで、MacのChromeを使っていると、同じジェスチャーが使えなくて不便に感じてしまう。

チープさを感じた点

 いささかチープだと感じたのは、キーボードのパームレストと底面のパーツの間にわずかな段差があるところ。よく言えば、簡単に分解できそうなつくりになっている。パームレストに手を置いていると、手首あたりが触れて、その段差がわかるのだ。長袖を着ているときはわからないが、半袖だと肌に直接にあたるので、段差がわかる。別に問題ではないけれど、個人的には、こういう端が角張っている構造のノートを初めてつかった。

chromebook

USBポートが充実している

 意外と充実しているが、USBポートで、合計4ポートが用意されている。左右の両サイドに、Type-CのUSB3.1とType-AのUSB3.0がそれぞれ一つずつある。Type-Cのほうは本体の充電用にも使う。左右どちらからでも充電ケーブルを差せるので、使い勝手がよい。

chromebook chromebook

 左サイドには、MicroSDカードスロットがひとつ用意されている。私の場合、ext4形式にフォーマットしたMicroSDカードを差しっぱなしにして、Linuxで常用している。

内臓ストレージの32GBは少ない

 内蔵ストレージのほうは、32GBあって、このクラスでは標準的な容量だと思う。工場出荷状態で空き容量がいくらあったか失念してしまったが、現状、システムだけで約12GB、Linux環境で約11GB使用しているので、そんなに余裕があるわけではない。Linuxを使う前提だと、64GBあったほうがよかったかも、と実際に使ってみて感じた。ChromeOSの基本は、ユーザーデータをクラウドに保存するのが前提と思われるので、Linux系で使うデータ類は、前述のとおり、ext4でフォーマットしたMicroSDカードに保存して使っている。結局、32GBでもなんとかなっているので問題はない。

Androidアプリが使える

 Chromebookの魅力のひとつに、Androidアプリが使える点がある。ものめずらしさで調子に乗ってゲームなどインストールしていたら、あっという間に容量がなくなってしまった。Androidアプリをいろいろ試したかったので、タッチパネル搭載のモデルを選んだが、やはりGoogle Mapなどタッチパネルがあったほうが使いやすい。一方、Kindleは、矢印キーを使ったほうが快適に読めるので、キーボードと使い分けられるのもよかった。

最後に

 最初に書いたとおり、買ったのが去年の1月のことなので、すでに使い始めて1年以上経っている。使い始めた当初は、Linux環境がベータ版だったせいか、トラブルがあったり、慣れが必要だったりで、ずいぶん試行錯誤した。今では、Linux環境も正式版になって、安定して使えている。シンプルなOSなので普段使いにぴったりで、用途によってはもうChromebookで十分だと思う。Linuxも使えて、Androidアプリも使えて、いいとこ取りではなかろうか。

 参考までに同じシリーズのAmazonリンクを貼っておきます。

こちらは他のAcer Chromebookは、こちら → Amazon.co.jp : Acer Chromebook