Let's Noteのホイールパッドを快適に使おう@lubuntu
Let's Noteのホイールパッドで、Macのようにナチュラルスクロールできるようにします。さらに従来のLet's Note風にホイールスクロールすることもできます。両方を使いわけることでlubuntuをさらに快適に使いこなすことができるのです。
今回は僕が設定している内容と、自分好みの設定を見つける方法を説明します。
設定ファイルを作成する
lubuntuではホイールパッドのドライバーとしてsynapticsが使われています。このドライバーの設定を変更することで、W5M向けに挙動を合せていきます。
まず、synapticsには次の設定ファイルがインストールされているはずですが、このファイルは編集してはいけません。
/usr/share/X11/xorg.conf.d/50-synaptics.conf
なぜなら、このファイルは xserver-xorg-input-synaptics
というパッケージの所有物なのでファイルが自動で更新される可能性があるためです。(注意書きのコメントが書かれています)
代りに次のようなLet's Note用のsynapticsの設定ファイルを新規作成します。
$ sudo vi /usr/share/X11/xorg.conf.d/51-synaptics-letsnote.conf
ファイル名の先頭が51となっているのはシステム側がこの番号順に読み込むため、50よりも大きくしておきます。あとは拡張子がconfになっていれば他の部分は任意の名前でいいはずです。
この設定ファイルの中身は僕はこのようにしています。これでホイールスクロールとナチュラルスクロールがどちらもできる状態になっています。
Section "InputClass" Identifier "touchpad catchall" Driver "synaptics" MatchIsTouchpad "on" Option "CircularScrolling" "1" Option "CircularScrollTrigger" "0" Option "CircScrollDelta" "0.3" Option "VertScrollDelta" "-300" Option "HorizScrollDelta" "-300" Option "VertTwoFingerScroll" "1" Option "HorizTwoFingerScroll" "1" Option "SingleTapTimeout" "300" Option "MaxDoubleTapTime" "100" Option "TapButton2" "0" EndSection
そして一度、ログアウトして再ログインすれば、変更が有効になります。
それぞれの設定内容について説明します。
ホイールスクロールの設定について
まずはLet's Note固有のホイールパッドでのスクロールを行うためには、次の項目で設定しています。
Option "CircularScrolling" "1" # ホイールスクロールの有効にする Option "CircularScrollTrigger" "0" Option "CircScrollDelta" "0.3" # スクロールの量
ナチュラルスクロール風の設定
次はMac風にナチュラルスクロールするための項目です。
Option "VertScrollDelta" "-300" # 縦スクロールの量 Option "HorizScrollDelta" "-300" # 横スクロールの量
通常はプラスの値300などとすると通常のスクロールになるのですが、ここをマイナスの値にすることで、逆方向にスクロールすることになり、Macで言うところのナチュラルスクロール風の挙動を実現しています。
数値を500ぐらいに大きくするとスクロール幅が小さくなりますので、この辺はお好みで設定してください。
またVertTwoFinderScrollとHorizTwoFInderScrollを設定することで、Macのマジックトラックパッド風に二本指でスクロールできます。
Option "VertTwoFingerScroll" "1" # 二本指でスクロール Option "HorizTwoFingerScroll" "1" # 二本指でスクロール
ボタンではなくパッド部分をタップすることでクリックとダブルクリックを実現する設定は次の部分です。
Option "SingleTapTimeout" "300" Option "MaxDoubleTapTime" "100"
数字を大きくするとタップの速さを調整します。これもお好みの数字で調整してください。
synclientで動的に変更する
前述の設定ファイルを使う方法は、一度ログアウトしないと設定内容を確認することができません。これでは効率が悪いため、Synapticesには動的に設定を変更するコマンド synclient
が用意されています。このコマンドは前述の xserver-xorg-input-synaptics
パッケージに含まれるユーティリティです。
このコマンドで自分好みの設定を見つけて、設定ファイルに反映させていくと、効率がいいのでオススメです。
変更方法は簡単で、特にルート権限も不要です。設定項目を指定して、
$ synclient VertScrollDelta=-200
のように実行します。
ここで、スペースを含めるとエラーになるので注意。
$ synclient CircularScrolling = 0 #NG
また現在の設定内容を確認することもできます。
$ synclient -l Parameter settings: LeftEdge = 1752 RightEdge = 5192 TopEdge = 1620 BottomEdge = 4236 FingerLow = 25 FingerHigh = 30 MaxTapTime = 180 MaxTapMove = 221 MaxDoubleTapTime = 100 ~~ 省略 ~~
万が一、Xサーバーが起動しなくなった場合
おまけの情報です。
設定ファイルをいろいろいじりすぎてXサーバーが起動しなくなったことがあるのですが、 この場合、コマンド画面でファイルを修正し直して次を実行すればOK
/usr/bin/service lightdm start
快適なlubuntuライフを!
正直、ホイールスクロールが使えるようになったものの、ひっかかりのようなものがあり、少し違和感があります。その点、ナチュラルスクロール風のスクロールは、Mac使いの僕として自然に使えるものなのでとても気に入っています。
ただパッドの面積がとても小さいので、長い文章をたくさんスクロールさせるには、ホイールスクロールのほうが快適です。目的に応じて使いわけていきましょう。
とにかく細かい設定がいろいろできそうなので、自分好みの設定をみなさんも見つけてlubuntuライフを楽しみましょう。