富士フィルムX-E2のファームウェアV4.00が特盛すぎる件
2016年2月4日、X-E2のファームウェアV4.00が公開されました。
発売から2年以上経ったモデルですが、今回のメジャーアップデートで、もはや別のカメラと言ってもいいでしょう。
公開から時間が経ちましたが、感じたことなどを書いておきます。
(アップデート内容は富士フィルムのサイトをご覧ください → 新機能を追加したファームウエア Ver.4.00)
X-E2とX-T1の間にあった大きな壁
FUJIFILM Xシリーズのファインダー付モデルで
- 2013年11月9日発売のX-E2
- 2014年2月15日発売のX-T1
この2台は発売時期こそ3ヶ月ほどしか違いませんが、X-T1から画面デザインが一新したため、まるで FUJIFILM Xの Ver1.0
と Ver2.0
の差のようなものを感じておりました。
X-E2は、2014年12月にV3.00がリリースされて以来、大きなアップデートはなく、もはやこのまま廃盤になっていく運命かと思われました。
そんなところに、2016年2月4日 V4.00は登場したのです。
X-T1が2度のメジャーアップデート(V3.00からV4.30)を経て獲得してきた新機能の数々を(すべてではないにしろ)、X-E2はたった一度のアップデートで獲得しました。
富士フィルムはなんてユーザー想いの企業なんだろう! 素晴しい!
冷静に考えれば、この大盤振る舞いはX-E2Sという新製品のおかげであって、X-E2ユーザーはおこぼれをあずかっただけなのかもしれないが・・・。後にも先にもこれほどのアップデートはX-E2だけかも。
理由はともかく、とにかくこんなに素敵にアップデートしてもらえて僕は感動している。
ありがとう、富士フィルム! (T T)/ この御恩は一生忘れません (T T)/ きっと次もXを買うよ。次はX-PRO2でしょう。
(そもそも、この記事はまずは感謝を伝えるためだったりする)
画面のデザインがとてもよくなった
というわけでやっと本題です。
X-E2しか知らない私としては、まずは画面のデザインが変わっただけ感動です。
まずは新しいX-E2の画面をご覧ください。 要するに最新のXモデルと同等になりました。文字サイズやアイコンが小さくなってレイアウトがすっきりしたのでまるで別のカメラのようです。モノトーンを中心にした配色が見やすく機能的です。
一方、旧ファームウェアの画面も参考までにご覧ください。 この図はマクロ選択時の画面です。わかりやすく親しみやすいデザインですが、黒を基調にしたXシリーズのブランドイメージに比べると、ちょっと違和感がありました。
これに対応するマクロ選択の画面がV4.00になって廃止されたため(自動マクロの導入)、代わりにフィルムシュミレーションの選択画面をご覧ください。 すべての選択画面がこのようなシンプルなスタイルに統一されています。いい感じです。
おまけに、こういうメニューはアニメーション的演出が追加されています。項目を上下ボタンで選んで、一番上まで行くと反対の一番下へ移動するようなときに、メニューがバウンドしたように動きます。操作していて気持ちいい。
操作感が大幅に変更
次に大きく変ったのは操作性です。
カスタマイズできるボタンが4つから一気に7つに増えた。
V4.00になってカスタマイズできるボタンが4つから7つに増えました。下図に番号を振ってみました。 増えたのは、3番、4番、5番のボタンで、自由にカスタマイズできます。
あとで気付いたのですが、わざわざこんな図をつくらなくても DISP/BACK
ボタンの長押しで次のような設定画面がありました。 普段は各ファンクションボタンの長押しで設定を変更していたので全く気付いていませんでした。
とにかく、まるで新しくカメラを買ったときみたいにいろいろいじれるので楽しいです。
動画の録画ボタンが登場
シャッターボタン横のファンクションボタンを、録画ボタンとして使えるようになりました。押すとすぐに録画を始めることができます。要するにX-T1やX-T10の録画用の赤いボタンと同等の使いかたが実現されたわけです。 おもしろいのは、最新のX-PRO2は普通の黒いファンクションボタンになっていることです。てっきりX-T1なんかと同じ赤いボタンで統一されるのかなと思っていたので、少し意外でした。各カメラの方向性の違いやデザインの美しさで判断されているのかな。X-PRO2とX-E2がお揃いなのが嬉しかったりします。
僕も、せっかくなので録画ボタンに設定しています。それで、動画を撮る頻度が増えたかというとそうでもない。一等地のファンクションボタンなのに活用できていないのはもったいないし迷うところです。やっぱりX-E2は写真を撮っているほうが楽しいカメラなのかもしれない。
電子シャッターの不思議な感覚
さらに電子シャッターまで使えるようになりました。 ミラーショック シャッターショックがなくなるので、まるでコンデジみたいな撮影フィーリングです。慣れ親しんだX-E2じゃない、まるで別のカメラ。シャッター音も電子音で「チッ!」みたいな乾いた音になるのが不思議です。3種類の電子音、無音から選べます。
もちろん、一番のメリットはシャッターの最速が1/4000から1/32000へと爆速にできることですね。夏場の炎天下のような状況でも絞り開放で撮影できそうなので、夏の撮影で活躍できるかな。
ただし、動体を撮ると歪んでしまうし、フラッシュが使えません。 マニュアルによれば制限事項が結構あります。
- 感度は6400~200、シャッタースピードは1/32000~1秒に制限されます。
- ぐるっとパノラマ撮影時は、メカニカルシャッターになります。
- 電子シャッターで撮影されるときは、長秒時ノイズ低減は機能しません。
- 連写撮影では、ピントや露出は1コマ目を撮影したときに決定され、途中で変えられません。
X-E2 Version 4.00 使用説明書/ソフトウェア取扱ガイド より
個人的には制限はあまり関係がなさそうです。 ミラーショック シャッターショックがない分、画質に影響するかもしれず、むしろ積極的に使いたいのですが、常用するのは変なのだろうか。今は、「メカニカルシャッター + 電子シャッター」モードで使っています。必要なときだけ電子シャッターに自動で切り替わります。
オートフォーカスが強化
さらにさらに、AFシステムまでもが最新に!
富士フィルムのAFシステムスペシャルサイト にもX-E2が追加されています。
僕は動体を撮ることがあまりないので、判断が難しいのですが、ワイドモードは使うようにしています。V3.10まではオートエリアと呼ばれていたモードが、今回、(たぶん)強化されてワイドモードになったのだと思います。コントラストの高い被写体にピントを自動で合せてくれるモードです。
気になるのは、カメラを動かさずにシャッターボタンの半押しを繰り返すと、選択されるフォーカスエリアがころころ変っていくことです。挙動がちょっと読めないところが悩ましい。
とはいえ、全自動的にちょっと記録的な写真を撮っておきたいときは使うようにしています。 悲しいのは、X-E2には全自動モードはないから、その都度、いろいろ設定を変えないといけないのが微妙かも。X-T10のような一発で全自動モードにできる機能があればいいんですけどねえ。
高性能化の犠牲
ファームウエア修正内容 によると
連写時の連続撮影枚数変更
連写撮影時の連続記録枚数が以下のとおり変更になります。
・JPEG:連写H時に連続撮影枚数が約28コマから約18コマになります。
・RAW:連写時の連続撮影枚数がファームウエア更新前と比べて1~2コマ減ります。
とあるように、高性能化と引き換えに、連写性能が犠牲になったのは仕方がないところです。
だからといって全体の動作がもっさりしているとか、そんな印象は特にありません。
まとめ
ファームウェアV4.00になって
- 画面のデザインがかっこよくなった
- 操作性が向上した(カスタマイズした場合)
- AFシステムが最新になった
ということで、X-E2は新しいカメラに生まれ変わりました。
おまけに前述の「新機能を追加したファームウエア Ver.4.00」 に書かれていないこと、例えば、X-T1のV4.30で実現されている「画面のカスタマイズの項目追加」なんかも、どさくさに紛れて(?)追加されているようです。
とにかく、お腹いっぱいで大変満足です。 富士フィルムさんに感謝です!