FX-AUDIO-のDAC-SQ5Jを買った後、しばらくしてデジタルアンプのFX-502Jを買った。保管してあったサンスイのAU-α607DRをしばらく使っていたが、音質云々以前に、消費電力と発熱が気になるので、デジタルアンプがほしくなったのだ。

デジタルアンプを買うのは初めてだったので、アンプICの違いでどれほどの差があるのか聴いてみないとわからない。スペック上は、FX-501Jのような、信号の劣化の原因となる部品を極力排したシンプルなアンプに惹かれたが、意外と予算がかかる。そこで、まずはお試しということで、安価に済ませるためにオークションでFX-502Jを買ってみた。中古だが状態がきれいであまり使われていなかったようなので、いい買い物だったと思う。

FX-502Jは、デジタルアンプICにTexas InstrumentsのTPA3116が使われている。バッファ用のオペアンプNE5532は交換できるようなので、いずれ交換してみたい。筐体が熱をもつことはなく、消費電力や発熱に気を使わなくて済むようになったので、それだけでも素晴しい。

音質については、FX-502Jの方が、定位がはっきりして、音像が引き締まったように感じる。比較対象が、古いトランジスタなAU-α607DRなので、経年劣化してAU-α607DR本来の音ではないかもしれない点が気にはなる。スピーカーは机に置いたNS-10なので、ニアフィールドな環境で聴いている。

fx-502j

FX-502Jに替えてから、クラシックを聴くことが増えた。響きが繊細で美しくなったので、ずっと聴いていたいと思う。例えば、合唱曲。今までは、複数の人の声が混りあって、ひとつ合唱の声として聴こえていたのが、ひとりひとりの声が粒立って、それぞれの声が分離して響き合っているような感じがする。例えば、カール・リヒターのマタイ受難曲を気に入って聴いているのだが、これは昔買ったものの今までそれほど聴いていたわけではなかった。それがいまさらながら良さを発見し、頻繁に聴くようになった。ずっとこの世界に浸っていたい。1959年の録音なので音質的にはよくないのだろうが、とても美しい。古い録音故のあたたかい響きということなのだろうか。もっと新しい録音の合唱曲やシンフォニーなどもいろいろ聴いているけれど、音が気持ちよくなった感じがする。響きの美しさを極めているのがクラシックだと思うので、変化がわかりやすいのかなと思う。もちろんポップスやジャズも、定位が明瞭になって、曲の構造がわかりやすくなった。

このアンプに替えたらといって、今まで聴こえなかった低域が聴こえるようになったとかそういうことはない。なんとなく流して聴いている分には、AU-α607DRでもそんなに変わらないような気はする。だけど、不思議と耳が喜んでいるのはFX-502Jのほうで、なぜかAU-α607DRで聴いていても楽しくない。なんだか耳が疲れるような気もする。こんな書き方をするとAU-α607DRがダメみたいだけど、やはり経年劣化しているのだと思いたいが、それだけデジタルアンプが優れているということか。場所は取るし重たいけれど、貴重だと思ってずっと保管してきたのでちょっとショックだ。

気になったのは、いわゆるギャングエラー。ビット落ちを防ぐためにMac側のボリュームは最大にして、FX-502Jのボリュームを絞っている。ただ小音量だと、定位が左側に寄ってしまうので、ある程度、音量を上げる必要がある。ボリュームゼロが7時の方角だとすると8時ちょっとぐらいがちょうどよく、それだと問題はない。もっと静かに聴きたいときは、Mac側で調整するしかない。安価な製品だからなのか、中古なので経年劣化なのか。どちらにしてもこれは仕方ないと思っている。

最初にDAC-SQ5Jを買って、AU-α607DRで音を聴いたときの感動よりも、今回、FX-502Jの音を聴いたときのほうが感動は大きかった。使っているスピーカーがYAMAHAのNS-10MMという古い機種なので、まだまだ改善の余地はあると思う。電源についても、今は12VのACアダプターを使っている。もっと電圧の高いアダプターに変更すれば、さらなら高音質も期待できそうなので、また試したい。